日本語能力試験N1やN2を取得している外国人の中にも、日本語のライティングが苦手な人は多いのではないでしょうか。なぜなら、日本語能力試験の中に、自分で文章を組み立て、ライティング能力を測る問題がないため、日本語の勉強でライティングに力を入れて勉強する人が少ないからです。一方、日本で働くためには、ビジネスメール・議事録作成・レポート作成・資料作成など、ライティングが求められる場面がたくさんあります。そこで今回は、日本語のライティング能力を上達させる3つの方法を紹介します。
母国語を日本語に翻訳する練習
日本語のライティングを練習しようとしても、何を書けばよいのかわからない人も多いかもしれません。そのような人には、母国語の文章を日本語に翻訳する練習がおすすめです。単純に文章を書くだけなら、母国語と日本語の文法の違いを意識することが難しいです。しかし翻訳の練習を通じて、母国語と日本語の文法の違いを比較できるため、日本語という言語の特徴が身に着けやすいというメリットがあります。
多くの日本語の問題集には翻訳の練習があります。練習問題はレベル別に分けられているため、日本語のライティングに自信がない人は、まず問題集にある翻訳の問題から始まることがおすすめです。
より高いレベルの日本語を目指しているなら、問題集以外には、小説や文章、あるいは自分が関連する業界やサービスで多言語化対応しているLPやHPの一部を翻訳してみるという方法があります。具体的なやり方は以下になります。
1、翻訳したい内容の日本語ver.と母国語ver.を用意します。
2、母国語ver.の文章を日本語に翻訳してみます。
3、自分の翻訳と日本語ver.の文章の異なる部分を確認します。翻訳には正解がないですが、プロの翻訳を見習うことによって、自分が書いた日本語の不自然なところを確認できます。たとえば、日本語では「~してしまう」という表現がありますが、外国人にとって、どのような場面で「~してしまう」の表現を使えば良いのかが判断することが難しいです。そこで自分の翻訳と日本語ver.の文章と比較することで、「~してしまう」の使い方が身に着けることができます。
日本語で日記やブログを書く
日本語のライティングを上達するためには、まず文章を書く量を増やすことがによりも大切です。仕事では文章を書くチャンスが限られているためいます。また仕事によっては、定型文メインで自分で文章の構成を考える機会も少ない人もいるでしょう。なので、自分で書くきっかけを積極的に作ることが上達のコツです。日記やブログを書く時は、母国語で下書きを書いたあとに日本語に翻訳する外国人の方もいますが、そのようなやり方は日本語の文章を組み立てる能力を鍛えることが難しいです。日本語で文章の構成を考え、日本語で書くことがおすすめです。
日記を書く場合は、紙とペンで書くことがおすすめです。紙とペンで文章を書くメリットは、漢字の書き方が練習できる点です。日本語には分かりにくい漢字が多いため、ペンで書くことを通じて、より多くの漢字を身に着けることができます。
一方、ネットでブログを書くことも良い練習になります。ネットでブログを書くメリットは、色々な人に読まれる点です。外国人が日本での仕事や暮らしを日本人に知ってもらい、ネットで友達ができる可能性もあるため、ぜひブログを書いてみましょう。
日本語文法修正サービスを利用
日本人の友人や同僚が日本語の間違いや不自然な点を直してくれることが理想ですが、毎回チェックしてもらうことは、相手の時間的にも難しいでしょう。チェックしてもらうことができない場合は、日本語文法の修正サービスを利用することがおすすめです。
日本人のネイティブチェックがほしいなら、日本語の文章をチェックする無料サービス「lang-8」を使ってみましょう。日本語に限らす、ユーザーが勉強している外国語で文章を書くと、その言語を母国語とするユーザーが添削をしてくれます。お礼として、ほかのユーザーが自分の母国語で書いた文章を添削しましょう。文章を添削し合うことを通じて、一緒に語学の勉強を進むことができます。
「lang-8」のような日本人に日本語をチェックしてもらうサービス以外には、Webで日本語チェックができるサービスもあります。正確さは人のチェックより低いですが、いつでも気軽にチェックでき、チェックの結果がすぐ表示されることが分かることがメリットです。
仕事の文章をチェックする場合、機密情報などセキュリティー上でWebサービスが使えない場合は、日本語言語入力設定のWordやGoogleドキュメントの文章校正機能を使いましょう。機能の充実度はWebサービスより低いですが、助詞や漢字間違いなどの最低限のミスを修正できます。Wordで文章を作成する時、日本語が間違えた文の下に青や赤、緑の線が出てきます。正しい文章に直すと、線が消えます。また、Wordで「ファイル」>「文章校正」>「設定]」の順にクリックし、「文法とスタイルの規則」を表示させると、文章校正機能のカスタマイズができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?日本語のライティングスキルは、エンジニアやデザイナーに求められることが少ないですが、ビジネスサイドの仕事ではメールや議事録を書くことが多いので求められることが多いです。やりたい仕事に求められるライティングスキルを社内や上司に確認した上、ライティングのレベルアップを目指しましょう。
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