日本で働きたい多くの外国人にとって、大手企業は魅力的な転職先ではないでしょうか。しかし、日本企業と海外企業とではカルチャーの違いが大きいため、外国人が日本の大手企業に転職するときには、気をつけないといけない注意点があります。そこで今回は、日本の大手企業で働くメリット・デメリットについて紹介します。大手企業への転職活動を検討している外国人の皆さんは、ぜひ参考にしてください。
- 大手企業とは
- 大手企業に転職するメリット
- 経営が安定している
- 福利厚生が充実している
- ネームバリューや社会的信用がある
- 大手企業に転職するデメリット
- 年功序列
- 配属は希望通りにならないことが多い
- 社風が堅い
- まとめ
大手企業とは
大手企業には、明確な基準や定義は存在しません。業界のなかでの規模や知名度において上位に入る企業であれば、大手企業と言えます。ただし、一般的に、大手企業というと日本の伝統的な大企業を意味することが多いです。規模が大きくて知名度が高くても、外国法人または外国人が出資する企業や、創業年数が短い企業は、「外資企業」や「メガベンチャー企業」と呼ばれることが多く、「大手企業」と呼ばれることは少ないです。
大手企業に就職するメリット
経営が安定している
大手企業は会社の規模が大きく、業界の中での市場シェアが高いので、経営が安定していて、倒産するリスクが低いです。そのため、景気が悪い時でも、減給やリストラのリスクは比較的低いと言えるでしょう。ただし、経営を改善するためにリストラを行う大手企業もあるため、大手企業に入っても仕事が100%安定しているとは言いにくいです。
福利厚生が充実している
大手企業は、中小企業と比べると給与が高い傾向があります。2019年の厚生労働省の調査によると、従業員が1000人以上の大企業で働いている男性の平均月収は38.0万円で、従業員が100~999人の中企業が32.3万円、従業員が10~99人の小企業が29.7万円になります。女性では、大企業が27.1万円で、中企業が24.8万円、小企業が22.8万円となります。従業員が数万人の大手企業なら、給与が更に高くなることが予測されます。
給与だけではなく、大手企業の場合、福利厚生も充実しています。多くの大手企業は、社宅、社内食堂、社員旅行、退職金、企業年金、各種手当など、生活のあらゆる面で社員をサポートしています。
ネームバリューや社会的信用がある
ほとんどの大手企業は誰もが知っている有名な企業で、ネームバリューがあります。みなさんが今後日本から離れて、ほかの国で働くことを考えているのであれば、大手企業のネームバリューは海外での転職活動にも役に立つでしょう。
また、日本で不動産を購入したいと思っている方は、大手企業で働くことで、不動産担当者からの一定の信頼を得やすいです。ネームバリューがある会社は、給与水準が高いと一般的に考えられているため、住宅ローンの未払いなどが発生しにくいと想定され、住宅ローンの審査が通りやすい傾向があります。
大手企業に就職するデメリット
年功序列
大手企業は、年齢や勤続年数に応じて役職や賃金が上がっていく人事制度、すなわち年功序列を取り入れています。そのため、若くて勤続年数が浅い社員が、実力があって仕事で成果を出しても、すぐ昇進・昇給するチャンスがほとんどないのが現状です。逆に、仕事が苦手で成果を出せない社員でも、勤続年数さえ長ければ、年齢相応の賃金をもらうことが可能です。海外では、実力に応じて人事評価を行う会社が多いため、外国人にとって年功序列は馴染みにくい制度かもしれません。
配属は希望通りにならないことが多い
多くの外国人は日本で仕事を探すときに、働く場所や職種にこだわりがあるではないでしょうか。しかし、大手企業はたくさんの拠点や事業部があり、採用の人数も多いため、すべての従業員の希望に沿って配属を行うことは難しいです。東京で働きたいのに大阪に配属されてしまったり、営業職として働きたいのに総務に配属されたりなど、自分が希望している仕事と異なる仕事を任される可能性が高いです。また、企業によっては、一つの拠点で数年間働いたのち、ほかの拠点に転勤させることもあります。大手企業に応募する際には、配属先を前もって確認したほうがよいでしょう。
社風が堅い
日本の大手企業のなかには、創業年数が長いため、昔の堅い社風や慣習が残っている会社もあります。たとえば、仕事の進み方としては、新しいことにチャレンジするよりも、昔からのやり方に従うことを求められる傾向が強いです。そして、上司や先輩が言うことを必ず従わないといけないような厳しい上下関係も一部の会社の中で存在しています。そのような堅い社風は、外国人にとって理解しにくいところが多いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?大手企業は、日本独特の文化がある企業が多いため、外国人にとって馴染みにくい側面があります。一方、安定した経営・高い給与・ネームバリューなど、メリットもたくさんあります。企業規模で会社を選ぶときは、メリット・デメリットをしっかり確認したうえで応募しましょう。
【参考データ】厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況
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jopus編集部
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