【外国人求職者向け】通訳・翻訳とは?仕事の共通点と違いを解説

外国人の皆さんが語学力を活かせる仕事というと、まず通訳・翻訳を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?しかし、一括りに通訳・翻訳といっても、2つの職種では仕事内容が大きく異なります。そこで今回は、通訳と翻訳の仕事内容の違い、必要な語学レベル、そしてどのような人が通訳・翻訳に向いているかについて紹介します。通訳・翻訳の仕事に興味を持っている外国人の皆さんはぜひ参考にしてみてください。

  1. 通訳・翻訳とは
  2. 通訳・翻訳の共通点
    1. ハイレベルな語学力が求められている
    2. 業界知識が必要な場合も多い
  3. 通訳・翻訳の違い
    1. 通訳はスピーキングスキルが重要
    2. 通訳は場にあわせた対応が大事
    3. 翻訳は読み書きスキルが必要
    4. 翻訳は忍耐力が大事
  4. 通訳・翻訳に向いている人
  5. まとめ

1.通訳・翻訳とは

通訳・翻訳は、一つの言語をもう一つの言語に置き換える仕事です。通訳は会議や打ち合わせで参加者の話し言葉を訳すことが主な仕事で、翻訳は本・ウェブサイト・契約書などの書き言葉を訳すことが主に仕事になります。

外国人が日本で就職するチャンスが多い通訳の仕事は、商談や社内会議などでの通訳、または社外のシンポジウムやイベントでの通訳があげられます。翻訳の仕事は、契約書やWebサイトなどビジネスシーンでの翻訳や、日本のゲームのローカライゼーションが多いです。

2.通訳・翻訳の共通点

ハイレベルな語学力が求められている

通訳も翻訳も、ハイレベルな語学力が求められています。ただし、外国人がハイレベルな日本語能力を持っているとしても、必ず通訳・翻訳の仕事ができるとは限りません。日本語以外に、母国語(あるいはもう一つの外国語)の表現力と、二つの言語を正確かつ素早く置き換える能力が必要です。

業界知識が必要な場合も多い

通訳・翻訳は、業界知識が必要な場合が多いです。知識を持つだけではなく、二つの言語でその業界のことを分かりやすく説明するスキルも求められます。たとえば、化学メーカーの会議で通訳の仕事をするには、一般的な化学知識と、そのメーカーの製品についてよく知っておくことが大事です。また、契約書を翻訳するには、法律の専門知識、そして二つの言語における法律用語に詳しい必要があります。そのため、多くの通訳・翻訳の求人は経験者のみを募集しています。

3.通訳・翻訳の違い

通訳はスピーキングスキルが重要

通訳は口頭で日本語を外国語に置き換える、または外国語を日本語に置き換える仕事であるため、ハイレベルなスピーキングスキルが必要です。

たとえば、ビジネス会議では、たくさんの情報が速いスピードで話されています。そのようなスピード感に合わせるには、相手の言葉を素早く聞き取り、もう一つの言語で分かりやすく伝えることができる語学力が求められています。また、営業などの場面では、自社の商品やサービスを魅力的にアピールして、お客様を説得する必要があるため、意味が正しい言葉で訳すだけではなく、言葉のニュアンスを掴んで訳す必要があります。

通訳では場にあわせた対応が大事

通訳の仕事では、事前に会議やイベントの内容を把握したうえで本番に出ることが多いですが、実際の会議やイベントなどでは話す内容がその場の状況で変わることがあります。そのため、相手が話した瞬間に素早く言葉を選んで訳す必要があり、臨機応変に対応することが求められます。大事な会議での通訳も多く、どんな時も緊張せずに仕事をこなせる冷静さも必要です。

会議やイベントなどでは、重要な内容をスピーディーに相手に伝えることが第一で、すべての言葉を一つ一つ完璧に訳す必要はありません。

翻訳は読み書きスキルが重要

日本で翻訳者として働く場合、ほとんどは日本語を母国語に訳す仕事になります。ハイレベルな日本語が求められているだけではなく、母国語の文章の的確さと表現力も大事になります。

たとえば、ゲームの翻訳(ローカライゼーション)は、ゲームの中のキャラクターの個性を短いセリフで表現する必要があります。意味が同じ言葉でも、キャラクターによっては違う翻訳が求められるので、自分の母国語の中でキャラクターの性格に一番相応しい文体を選んで訳す必要があるでしょう。

一方、翻訳の仕事内容は読み書きがメインで、日本語を話す必要が少ないため、日本語の発音が少し訛っている場合や、話すスピードが遅いとしても、翻訳の仕事には大きな影響はありません。

翻訳は忍耐力が大事

翻訳の仕事は、一人でコツコツと同じ作業をする時間が長く、訳文の正確さが求められます。また、人と話すチャンスが少なく、チームワークも少ない仕事です。そのため、翻訳の仕事をするうえでは、忍耐力が必要です。長い間、ずっと同じ作業に打ち込むことができる人が翻訳に向いていると言えます。

4.通訳・翻訳に向いている人

ここまで通訳・翻訳の共通点と異なっている点を説明してきました。以上からみると、通訳は以下のような方におすすめできます。

・日本語のスピーキングが流暢
・コミュニケーション能力が高い
・場にあわせた対応ができる
・大勢の前で仕事をしても緊張しない

そして、翻訳は以下のような方におすすめできます。

・日本語の読み書きが上手
・母国語のライティングが上手
・忍耐力が強い
・一人で仕事をするのが得意

5.まとめ

通訳・翻訳は、よく同じ仕事として認識されていますが、違うところも多いです。また、どちらの仕事でも日本語力だけではなく、母国語のレベルや業界知識も必要になります。通訳・翻訳を目指している外国人の皆さんは、事前に必要な語学スキルやコミュニケーションスキルを鍛えておきましょう。

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jopus編集部

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