【日本で働く外国人向け】日本語のスピーキングを上達させる3つの方法

外国人が日本で働く上で、日本語スピーキングはとても大切なスキルです。なぜなら、外資企業などやごく一部企業以外は、公用語は日本語です。エンジニアなど社外の日本人と関わらない仕事でも、社内コミュニケーションで日本語は最低限必要になります。日本で生活しているとスピーキングのスキルが自然と上達すると思っている人も多いかもしれませんが、仕事によっては日本語を話すチャンスが少ないという人もいるでしょう。今回は、日本での仕事で使えるスピーキング(会話)を上達させる方法を3つ紹介します。

1、シャドーイング(Shadowing)

日本に生活している外国人が、常に日本人と話せるわけではありません。そのため、自分一人でもできるスピーキングの練習を心掛けることが大事です。自分でできるスピーキング練習としては、まずシャドーイングがおすすめです。シャドーイング(Shadowing)とは、日本語の音声を聞いた後に、そのまま真似をして復唱するトレーニングです。シャドーイングはスピーキングの中では、特にイントネーションと発音を鍛える効果が期待できます。また、リスニング力の向上や語彙を増やすことにも役に立ちます。

具体的なやり方は以下です。

1、テキストを見ないように、音声を聞くとほぼ同時に発声してみます。遅れは、大きくても0.2秒程度、なるべく遅れないように発する必要があります。音声データとなるべく同じ発音とイントネーションであるように発声してみましょう。難しいなら、最初は文ごとで一時停止して練習しても大丈夫です。

2、意味が分からない言葉があれば、テキストで確認します。

3、同じ音声データを繰り返して、3~5回練習します。

シャドーイングのための音声は、日本語の教科書、映画やドラマ、日本語のニュースなど、どのようものでも活用できます。特に、映画やドラマは日本人のリアルな話し方に近いので、自分が好きな作品を選んで練習することがおすすめです。またYoutubeに無料でシャドーイング用の音声がアップロードされているので、手軽にチャレンジができます。

2、日本語の質問リストの質問に答える

シャドーイングでは日本人らしい話し方やイントネーションを身につけることができますが、真似をするだけなので、自分で発話する文章を組み立てる能力を鍛えることは期待できません。状況に応じて臨機応変に日本語を話せるようになるためには、日本語の質問リストを使用して、声を出して自分で答えを考え、発音する練習がおすすめです。

具体的なやり方は以下です。

1、質問リストから任意の質問を選び、声を出して話してみて、自分の答えを録音する。事前の準備をせず、その場で答えを考えて日本語で表現することが大事。

2、うまく答えられない場合は、①母国語で言えるが日本語でうまく表現できない、②そもそも母国語でもうまく表現できない、という2つの課題の可能性があります。解決するために、①のケースでは日本語の表現を調べ、②のケースでは自己分析を行う方法で対策しましょう。

3、答えの録音を確認し、不自然に感じる言い回しや発音を記録する。協力できる友達や日本語の先生がいれば、録音の間違いを指摘してもらいましょう。

4、1~3を繰り返して、答えを改善します。

就職・転職、ビジネスシーンでのスピーキング力を伸ばしたい場合は、面接の質問リストを使って練習してみましょう。Youtubeでも外国人向けに日本の模擬面接の動画もアップロードされているので、参考にしてみてください。

面接でよく聞かれる質問例
【外国人転職者向け】転職面接で聞かれる質問
模擬面接シミュレーター

ビジネスシーンだけではなく、プライベートでのスピーキング力も伸ばしたい場合は、暮らしや人生に関する質問リストがおすすめです。

「YES/NOでは答えられない、70の質問」。アナタならどう答える?
100の質問 自己紹介

3、日本語で話すチャンスを作る

一人でのスピーキング練習はスピーキングの基礎を築くことができます。しかしより自然なスピーキング力を伸ばすには、話す相手を見つけて、実践を通じて学ぶことも大切です。

まず、日本人の同僚の食事会や飲み会に積極的に参加し、日本語で雑談のチャンスを増やしましょう。日本の飲み会は食事をしながらおしゃべりする場なので、お酒が飲めなくても安心して参加できます。飲み会では、仕事中に話せないチャンスを生かせるだけでなく、部署をまたぐ場合では、他部署の同僚とコミュニケーションを取る良い機会でもあります。また、飲み会で上手く話せなくても仕事に影響はなく、むしろ日本語を教えてもらえる場として考え、会話の数を増やすことを心掛けましょう。

そして、会議や打ち合わせなどの時に、積極的に発言しましょう。特に、会議の進行役であるファシリテーターの担当になることがおすすめです。ファシリテーターは、使う言葉が定型的な言葉が多く、質問する内容を自分で考えるなどの事前準備ができます。また会議に応じて臨機応変する必要もありますので、適度なスピーキングの練習になります。顧客先で発言することは自信がない方は、まずは社内の会議で実践しましょう。

日本で働き始めたばかりの人にとって、仕事で日本語でプレゼンテーション(発表)をすることはそれほど多くありません。そのため、もしプレゼンテーションするチャンスがあればきちんと事前準備をし、本番前に一度同僚にプレゼンテーションを聞いてもらいフィードバックをもらいましょう。またプレゼンテーションが終わった後にも参加したメンバーからフィードバックを聞くことを通じて、プレゼンテーションの機会を活用することがおすすめです。

そして仕事以外で日本人と話す環境を作ることも大切です。なぜなら仕事以外の友達を通じて、職場の同僚と全く違うバックグラウンドの日本人の言葉遣いを勉強できるからです。例えば、日本人がいるシェアハウスに住む、近所の飲食店に通って友達を作る、国際交流イベントに参加する、SNSを通じて趣味の友人を作るなど、様々な方法があります。また、業務外で自分で1対1の日本語レッスンを通うことも効果的でしょう。

まとめ

スピーキング能力を伸ばすには発音だけでなく、イントネーション、流暢さ、文法など色々な側面からアプローチする必要があります側面があります。また、仕事やプライベート、目上や目下での相手によって話し方も異なります。ネイティブのような発音やイントネーションを身に着けるには、長期間の訓練が必要です。そのため、まず上達しやすい正しい文法の使い方や流暢さを伸ばすと成果も出やすいのでモチベーションアップにもつながるでしょう。今回紹介した練習方法を使って、スピーキング能力の向上を目指しましょう。

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