ビジネスシーンのどの場面で必要となるスキルが電話応対です。電話は相手の顔が見えないため、日本語を母国語としない外国人の皆さんは苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。電話応対は、決まっている日本語フレーズを覚えて話せれば問題ありません。今回は、電話応対の基本と日本の電話マナー、電話のコツをご紹介します。
電話応対の基本
明るい声で話す
母国語でない言語で電話をする・受けることは簡単なことではありません。「日本語を間違えないように」と思うと緊張して声が小さくなったり、声のトーンが下がる方が多いです。
大切なのは、正しい日本語・敬語で話すことではなく、会社の顔として明るい声で話すことです。もし日本語を間違ってしまった場合は、謝って話し直せば問題がないので、自信をもって話すようにしましょう。
ゆっくり話すようにする
緊張すると早口になってしまう方も多いですが、イントネーションによっては話を話しているか分からない、聞きづらいこともあるでしょう。話すことや聞いたことをメモにとって、整理しながら話すと落ち着いて話すことができるのでおすすめです。
メモと筆記用具を手元に必ず準備する
電話が鳴ってから、メモや筆記用具を探すと電話を取るにに時間がかかってしまいます。電話を取る可能性がある場合は、常にメモと筆記用具を近くに置いておきましょう。また自分宛ではない電話の場合は、電話をつなぐ人に正しい情報を伝えるため、必ずメモをしましょう。
受電は、なるべく3コール以内に取る
受電する場合は、お客様を待たせないように電話が鳴ってから3コール以内に取ることが日本では一般的です。3コール以上かかってしまった場合は、「お待たせいたしました」と一言最初に話すことがマナーとされています。
受電(電話をとる場合)
電話を取るとき
- 「はい、株式会社〇〇でございます。」
- 「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇でございます。」
- 「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の□□(名前)でございます。
ビジネスでの電話では、「もしもし」は使いません。
「お電話ありがとうございます。」もしくは「はい」を使います。
そして電話がかかってきたら、まず社名を名乗りましょう。
職場によっては、社名+名前を名乗る場合もあるので、会社の先輩に確認すると良いでしょう。
相手の社名・名前を聞いたとき
- 「株式会社〇〇の□□(名前)様ですね。いつもお世話になっております。」
相手の社名と名前を聞いたら、復唱して確認しますましょう。社名や名前の間違いは、失礼になりますので、もし聞き取れなかったらしっかり聞き返しましょう。
また自分のお客様でなくても、会社の代表として電話を出ているので、「いつもお世話になっております。」を添えると自然です。
相手の社名・名前が聞き取れなくて確認するとき
- 「恐れ入りますが、もう一度お名前をお願いできますでしょうか。」
- 「申し訳ございません、お電話が少々遠いようです。」
日本人同士でも名前や社名を聞きなおすことは、よく起こります。失礼には当たらないので、聞き取れなかった場合は必ず聞き返しましょう。また電話や環境の問題で声が小さく聞き取れなかった場合は、「お電話が少々遠いようです。」を使います。
社内に取り次ぐとき
- 「かしこまりました。少々お待ちください。」(保留にする)
- 「□□(名前)でございますね。ただいまおつなぎ致します。少々お待ちくださいませ。」(保留にする)
同じ苗字の人が複数いる場合などは、念のため取り次ぐ人の名前を復唱すると間違いが起きないので安心です。
取り次ぐ相手が不在、電話に出れないとき
- 他の電話に出ているとき
「申し訳ございません。ただいま□□(名前)は他の電話に出ております。終わり次第、こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
- 一時的に席を外していとき
「申し訳ございません。ただいま□□(名前)は席を外しております。間もなく戻るものと思いますので、戻り次第こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」 - 外出しているとき
「申し訳ございません。ただいま□□(名前)は外出しております。◯◯時頃、会社に戻る予定となっております。戻り次第こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」 - 休みや終日外出のとき
「申し訳ございません。本日□□(名前)は終日不在でございます。明日は出社しますので、明日□□(名前)から折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
取り次ぐ相手が電話に出れないときは、電話に出れない理由を添えてお客様に説明しましょう。取り次げないということなので、「申し訳ございません。」と一言添えると自然です。
伝言や折り返しが必要なとき
- 「かしこまりました。恐れ入りますが、念のためにお電話番号を伺ってよろしいでしょうか。」
- 「かしこまりました。私でよろしければ代わりにご用件をおうかがいいたしますが、いかがいたしましょうか?」
電話が不在で折り返しが必要なときは、必ず相手の電話番号を聞きましょう。電話機のプレートに電話番号が表示されていることも多いですが、社用携帯など違う番号に折り返しが欲しいときもあるので、必ず折り返す先の電話番号を確認し、復唱します。
またチーム内で不在者の対応や処理が出来る場合は、お客様に用件を聞くと良いでしょう。
受電(電話をとる場合) 取り次ぐときの流れ
自分 「お電話ありがとうございます。株式会社Jopusです。」
お客様「いつもお世話になっております。株式会社エージェンシーの鈴木です。」
自分 「株式会社エージェンシーの鈴木様ですね、いつもお世話になっております。」
お客様「営業本部の田中様はいらっしゃいますでしょうか。」
自分「営業本部の田中ですね。確認をいたしますので、少々お待ちください」
お客様「はい、よろしくお願いいたします。」
自分 保留にする
【内線でつなぐ場合】
自分「お疲れ様です。(名前です)1番(電話回線が複数の場合)に株式会社エージェンシーの鈴木様からお電話が入っています」
田中「わかりました、ありがとうございます。」
自分 取り次ぐのが分かったら、受話器を置く
【直接呼ぶ場合】
自分「田中さん、1番に株式会社エージェンシーの鈴木様からお電話です。」
田中「わかりました、ありがとうございます。」
受電(電話をとる場合)取り次ぐ先が不在のときの流れ
自分 「お電話ありがとうございます。株式会社Jopusです。」
お客様「いつもお世話になっております。株式会社エージェンシーの鈴木です。」
自分 「株式会社エージェンシーの鈴木様ですね、いつもお世話になっております。」
お客様「営業本部の田中様はいらっしゃいますでしょうか。」
自分「営業本部の田中ですね。確認をいたしますので、少々お待ちください」
お客様「はい、よろしくお願いいたします。」
自分 保留にする
自分「申し訳ございません。ただいま田中は他の電話に出ております。終わり次第、こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
お客様「わかりました。折り返しお電話をもらえるようにお伝えいただけますか?」
自分「かしこまりました。念のためお電話番号をお伺いできますでしょうか。」
お客様「080-0000-0000です。」
自分「080-0000-0000ですね。田中にお伝えいたします。」
お客様「よろしくお願いいたします。失礼します。」
自分「失礼いたします。」
(お客様が電話を切ったら、受話器を置く)
まとめ
今回は日本企業での電話応対の基本を紹介しました。外国人の皆さんだけでなく、日本人の新社会人も電話マナーは社会人になるときに学びます。最初から完璧にできるわけではないので、普段から電話に出ている先輩が話している言葉を意識して聞くとよく使うフレーズも覚えることができるでしょう。ぜひ先輩の真似をできるように練習をしてみてください。
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