【外国人転職者向け】転職面接で聞かれる質問

面接は、自分の経験やスキルを応募企業へ直接アピールする場です。日本で転職活動を行う際は、日本語が必要とされない求人以外は基本的には日本語で面接することが一般的でしょう。日本語での面接が苦手な外国人求職者の方は多いですが、事前にしっかりと準備し、「自分自身」の言葉を整理することが重要です。今回は、面接を成功させるために、日本の転職面接の流れとよく聞かれる質問をご紹介します。

転職面接の流れ

転職活動の面接を突破するために、まず日本の転職面接に基本的な流れを紹介します。転職面接は大きく、「自己紹介」「現職、経験、スキルについての質問」「転職理由についての質問」「志望動機についての質問」「雇用条件の確認」の5つで構成されることが一般的です。会社によって一部流れは異なることもありますが、面接は以下のような流れで進むことが多いでしょう。

転職面接で聞かれる質問

それでは転職活動の面接ではどのような質問をされるのでしょうか?ここでは、「自己紹介」「現職、経験、スキルについての質問」「転職理由についての質問」「志望動機についての質問」「雇用条件の確認」の5つの流れに分けて、よくある質問の代表例をご紹介します。質問例に対して回答ができるよう、事前に自分の意見や考えをまとめて準備しておくことをおすすめします。

1.自己紹介

面接会場に入って、面接官が見えたときに自分から元気よく挨拶をしましょう。「こんにちは、〇〇(名前)です。本日はよろしくお願いいたします。」と明るく挨拶をするだけで、第一印象は変わるため、必ず挨拶をするようにします。

自己紹介は、今までの職務経歴を中心に1分ほどにまとめて話しましょう。新卒時の面接では、大学で学んだ内容や日本に来た理由を自己紹介で話すことが一般的ですが、転職面接ではポテンシャルより経験やスキルを重視するため、職務経歴を話すことをおすすめします。また応募企業が求めているスキルや経験と合致する部分があれば最初にアピールすると良いでしょう。

【質問例】
自己紹介をお願いします。

【回答例】
(名前)と申します。出身はベトナムです。ベトナムの大学を卒業し、現地の日系メーカーの購買担当として資材調達や納期管理を3年間担当しておりました。日本でキャリアを積むために2016年に来日し、日本語学校を卒業したあと、現職である車部品の専門商社にて貿易事務を2年間担当しています。日本語は、5年間業務で使ってきました。今後は、英語を更に使える職場に挑戦していきたいと思い、英語・日本語・ベトナム語を使うシーンが多い御社に応募させていただきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

・職務内容を簡潔にまとめる
・日本に来日した理由も簡潔にまとめる
・アピールポイントの語学力を自己紹介で交えて伝える

2.現職、経験、スキルについての質問

基本的には、履歴書や職務経歴書に記載がある箇所を中心に質問をされます。面接官は、もし入社した場合にどのような活躍ができるかをチェックします。職務内容を伝えるだけはなく、自分がどのような点を工夫して取り組んできたのか、なぜその行動を取ったのか、過去の自分の行動に対して理由を伝えられるようにまとめておくと良いでしょう。

【質問例】
〇〇社への入社理由を教えてください。
なぜこの職種を希望したのですか?

【回答例】
私は、自社サービスを展開している企業を志望しています。その理由は、2つあります。1つ目は、自分の作ったサービスを直接ユーザーに届け、サービス改善をして、必要とされるプロダクトを作り上げたいからです。現職は、クライアントワークのためユーザーの声が直接聞けず、課題を感じる瞬間があったからです。2つ目は、興味のある教育業界のITサービスにチャレンジしたいからです。学生時代アルバイトで家庭教師をしており、教育現場に課題を感じていた点と現職でも教育関連プロジェクトを2回経験し、アナログな教育現場はITが必要な業界と実感したからです。以上の理由で、教育サービスを展開している御社を志望しました。

就職活動の際にその希望を選んだ軸、決め手を伝えましょう。
希望した軸や決め手の理由をまとめておきましょう。

【質問例】
現職(前職)で一番頑張ったことは何ですか?その理由を教えてください。
現職(前職)で最も困難だったことは何ですか?どのように乗り越えましたか?

【回答例】
現職で最も頑張ったことは、営業マネージャーとしてチームのマネジメントです。異動して2ヵ月で営業マネージャーになり、3名の部下をマネジメントすることになりました。3名とも20代前半の新卒や社会人経験が浅いメンバーだったため、まず1名1名との対話を増やすために、朝会と夕会、日報を導入し、自分に報告や相談が仕組み的に上がるようにしました。最初の半年間は、なかなか結果が出ず部下も苦しい思いをしましたが、問題に対して課題解決をする時間を部下と作り、再現性のある営業スタイルを作っていきました。その結果、1年後には年間売上1位のチームになり、営業部内で年間チーム賞を受賞しました。

・「〇〇プロジェクトです。その理由は~」結論から先に述べましょう。
・なぜその体験を選んだのか理由を述べましょう。
・その仕事を通してどのような成果を上げたのかまとめておきましょう。
・その体験から何を学んだのかを最後に締めると良いでしょう。

【質問例】
自分の長所と短所について教えてください。

【回答例】
私の長所は、私は責任感が強いことです。任された仕事に対して全力で取り組むために、今までのチームでも自分が仕事の計画など仕切り、最後まで取り組むことを大事にしていました。短所は、問題を一人で抱え込んでしまうことです。責任感が強い分、メンバーの遅れなどを自分で巻き取ることも多く、メリハリをつけて仕事をこなすことが苦手でした。現在が、1社目の企業で報連相などの日本の仕事の進め方を学んでから、チームメンバーの報連相を常に行い、業務に遅れやミスがないように事前にコミュケーションを増やすように、心掛けています。

・スキルではなくパーソナルな強み、弱みを伝えましょう。
・短所は、どのように短所をカバーしているか一緒に伝えるとベストです。

3.転職理由についての質問

面接官は、応募者が入社後に早期退職をしないかどうか、ミスマッチがないかを面接時に確認をします。転職活動は、現職(前職)では実現できないことがあり、ギャップを感じるために転職を決意することが多いでしょう。また家族に関わる理由などで転職を決意される方もいると思います。

例えば転職理由が「残業が多い」場合は、残業が多いとなぜ自分にとってネガティブなのか、それを伝えることが重要です。「残業が多く、業務後のスキルアップの時間が取れないから」など本質的な理由を自分なりにまとめておくと良いでしょう。

【質問例】
・なぜ転職しようと思ったのですか?
・転職を通じて、弊社に期待することは何ですか?

【回答例】
営業職から商品企画職にチャレンジしたいからです。現職では営業職として勤務をしていますが、顧客の声を商品改善につなげられず限界を感じています。商品企画職と改善案を提案しましたが、コストの観点で実現ができませんでした。また上司に異動願いも提案しましたが、人員の関係で異動ができないため、他社への商品企画職の転職を考えています。

・転職理由と志望動機や将来のキャリアプランが繋がっているようにまとめてましょう。
・企業とミスマッチが起きないように、転職理由に嘘をつくのはやめましょう。なぜ転職したいと思ったのか、現職ではなぜそれが叶えられないのか、理由を考えて話しましょう。

4.志望動機についての質問

面接官は、転職理由と同様に「入社後のミスマッチがなく、早期退職しないかどうか」を面接を通じて見極めたいと思っています。「この会社でなければならない」理由があればまとめておきましょう。また未経験の場合は、自分の熱意や思いを伝えることが重要です。「なぜそう思うのか」理由を伝えることで、面接官にも思いが伝わるでしょう。

【質問例】
・なぜ当社を応募したのですか?
・5年後(10年後)のキャリアプランは何ですか?

【回答例】
将来で新しいwebサービスを開発したいので、フロントもサーバーもインフラも分野問はずできるフルスタックエンジニアを目指したいと思っています。また言語を活かして、海外のエンジニアとのブリッジエンジニアの役目を果たしたいです。御社では、フルスタックエンジニアが大いに活躍し、新規サービスの開発も行っています。またオフショアも拡大するとお伺いし、自分の言語力を最大に活かせると思い、今回応募しました。

・転職理由を紐づけて、志望動機を話しましょう。
・キャリアプランは、具体的にどのようなスキルを身に着けたビジネスマンになりたいのか、また今後も日本の在住する予定があるか、まとめておきましょう。

5.雇用条件の確認

企業の採用活動では、採用予算が事前に決められています。募集ポジションで支給できる年収や条件からミスマッチがないかどうか知るために、面接官は面接を通じて条件面の質問をします。年収は、手取り額ではなく額面になるので、間違えないように注意しましょう。

また現職の年収も参考に聞かれることがあります。入社した場合は、前職の源泉徴収票を提出するため、企業は前職の年収を入社後に把握することになります。残業時間の変動などで年収に多少前後があることは、理解できますが、大きく年収額が違う場合は、会社側に不信感を与えてしまいます。そのため、現職の年収は嘘をつかずに伝えましょう。

【質問例】
・希望年収、現職の年収を教えてください。
・希望勤務地を教えてください。
・入社希望日はいつですか?

・面接を通じて本人の希望を聞くため、内定が提示された時にトラブルが起きないように嘘をつかずに話しましょう。
・入社希望日は、現職(前職)と退職交渉をしていない場合が一般的で不明確な部分もあるためで、「内定をもらってから約〇ヵ月後」のように答えると良いでしょう。

転職面接で気を付けるポイント

1.回答は結論から簡潔に話す

質問に対してまず結論から話しはじめましょう。理由から述べると結論にたどり着くまで遠回りをすることになり、面接をしている方は内容の理解がしづらくなってしまいます。結論→理由、エピソード→まとめの順番で話せるように自分の考えをまとめておくと良いでしょう。面接の準備は、まず頭の中で考えるだけでなく、紙に書き出して、言語化してまとめておくと思考が整理されるので、おすすめです。

2.逆質問を準備しておく

日本企業の面接の最後では、「質問ありますか?」と逆質問をされることが一般的です。面接官は、①応募者が応募企業に対して本当に興味や関心があるか ②コミュケーション能力があるかどうか、この2点の理由から逆質問をします。また逆質問は、自分をアピールできる最後の時間でもあります。質問は、最低3つは用意して当日面接に挑みましょう。

【質問例】
「私の希望する職種の具体的な1日の業務スケジュールを教えていただけますか?」
「御社で活躍している人に、共通点はありますか?」
「私は〇〇〇の経験がありますが、御社でもこのような事業開発は可能ですか?」
「御社で活躍するために、自身の足りないスキルはどのようなものがあげられますか?」
「御社は海外展開も進めていますが、今後予定している事業展開があれば教えていただけますか?」

3.笑顔・大きな声で話す

初対面では、最初の10秒で第一印象が決まると言われています。面接は、30分~60分の短い時間の中でお互いを知る場です。やる気や思いがいくらあっても、最初の第一印象でネガティブな印象を与えてしまうのは非常に勿体ないです。面接の場は、非常に緊張しますが、自分から大きな声で笑顔で挨拶することで緊張も解けて、自分らしく話すことを心掛けましょう。

まとめ

今回は日本の転職活動における一般的な面接の流れと質問例についてご紹介しました。ぜひ上記を参考にしながら面接対策を行ったうえで本番の面接に臨むようにしましょう。