【外国人求職者向け】電気・電子・機械エンジニア職の職務経歴書の書き方

転職時に企業にエントリーするために必要な職務経歴書は、職種別に記載する内容が異なります。電気・電子・機械エンジニア職は、日本でも人手不足の背景から外国人の採用ニーズが非常に高いです。スキルや経験や使用ツール、ものづくりへの思いを職務経歴書でアピールすることが書類通過するために効果的です。そこで今回は、電気・電子・機械エンジニア向けの職務経歴書の書き方を紹介します。

職務経歴書自体について知りたい方は、【職務経歴書の基本の書き方】もぜひ参考にしてください。

電気・電子・機械エンジニアの職務経歴書

まずは、電気・電子・機械エンジニアから転職する際に使用するオーソドックスな職務経歴書のフォーマットに沿って、正しい書き方をご紹介します。

①日付・名前

書類の一番上に右寄せで、日付と氏名を入れましょう。日付は、書類提出日の当日の日付を記入にします。氏名は、英語表記で問題ありません。

②職務要約

過去から現在までの職務経歴のサマリーを書きます。どのような会社で(業務内容)、どのような仕事(職務)を担当したかを書きます。なるべく200~250文字程度でまとめましょう。

【例文】
ベトナムの大学を卒業後、株式会社〇〇〇〇ベトナム支社に入社し、プリンター製品の機構設計、関連部門や日本本社とのブリッジ窓口として3年間携わっていました。2018年に来日し、株式会社〇〇〇〇へ入社。モバイル機器部品の設計、ベトナム人技能実習生の通訳・サポートに従事しております。

③職務経歴

今まで在籍してきた会社ごとに分けて、職務内容を書きます。一番上に在籍歴が新しい企業が来るように順番に書きます。

【在籍歴】
西暦で在籍していた時期を書きます。
【会社名】
海外の会社の場合は、英語で会社名を表記しましょう。
【事業内容】
会社の事業内容を端的に書きます。
【従業員数】
会社の規模感を伝えるために、従業員数を書きます。
【所属・役職】
所属部署、役職を記載します。またマネジメント経験があり、部下がいた場合は、部下の人数も書きます。
【業務内容】
自分が担当した業務を書きます。製品、担当フェーズ、ツール、チームでの役割を詳細に明記しましょう。また志望する企業と業界が異なる場合もあるので、製品名や製品の説明を分かりやすく伝えることが大切です。また取り組んだ結果の成果(定量的なもの)を書くことで、採用担当者が経験が具体的にイメージすることができます。

【例文】
業務用プリンターの既存製品の機構部の設計、改良
・用紙高速搬送、整列機構のハードウェア設計業務
・用紙搬送、整列機構の評価計画作成とその推進
・試験、安全評価
・メンバーへの指導、OJT
・日本本社とのやり取り(日本語)
・プロジェント管理

【開発ツール】3D CAD
【実績】構造設計を変更するため、納期が通常の70%のスケジューリングの中、事前に関係各所や日本本社の連携を進め、スピード感のあるやりとりができたため、納期に間に合わせることができました。

④活かせる経験・知識・技術

今までの業務から業界知識、経験を書きます。電気・電子・機械エンジニアでは、使用ツール・期間を明記することで、スキルをアピールすることができるので、母国で使用経験があるツ―ルは必ず明記することをおすすめします。応募企業がどのような経験を求めているか確認し、自分が過去の経験で活かせる面はアピールすることを心掛けましょう。

【例文】
プリンターの構造設計、機構設計3年
モバイル機器の構造設計、機構設計2年
3D-CAD 使用経験 5年
ベトナム技能実習生のマネジメント
日本語⇔ベトナム語の通訳・翻訳
機械工学に関わる基礎知識(学士)

⑤PCスキル・保有資格

ExcelやパワーポイントなどのPCスキルのレベル別に記載しましょう。また国内だけでなく、母国で取得した資格がある場合は、経験をアピールするために参考に書くと良いでしょう。

【例文】
【例1:初級】Excel(四則演算・票作成・基本的な関数)
【例2:中級】Excel(ピポットテーブル、VLOOKUP、IF関数、グラフ作成)
【例3:上級】Excel(データベース作成、マクロ機能、VBA)
・PowerPoint(会議資料、営業用資料などプレゼン資料の作成)
・Word(文書作成・表作成・レイアウト調整・図の挿入・印刷設定・アウトライン)

⑥語学力

業務で使用できる語学のレベルを【ネイティブレベル】【ビジネスレベル】【日常会話レベル】の三段階に分けて書きましょう。外国人を採用したい企業の多くは、日本語と外国語が流暢に話せることを求めています。母国語以外の語学力は、具体的な使用シーンやテストのスコアをと合わせて明記することで、語学レベルが採用担当者にとってイメージしやすくなるでしょう。

【例文】
中国語:母国語
英語 :ビジネスレベル(電話やメールで社外顧客とやり取りができるレベル)
日本語:ネイティブレベル(商談で日本人顧客にプレゼンができるレベル、JLPT N1)

⑦自己PR

過去の経験や知識を洗い出し、応募企業で求められる経験や実績について記載すると良いでしょう。実務経験だけでなく、大学や大学院で専門的に学んだことが、志望企業が求める知識であれば、自己PRの中で研究内容などをアピールすることをおすすめします。

【自己PR】
私のモットーは、チームワークを大切にすることです。ベトナムで働いていたときに、設計チーム内でのコミュニケーション以外にも改善スピードを上げるために、日本人支社とのコミュニケーションを増やし、積極的に質問ができるような関係性を築きました。その結果、新規プロジェクトのスケジュールが予定より2週間以上早く完成しました。上手くいった要因は、チームを超えた協調性をもって相手と気持ちよくコミュニケーションをしたからです。現在は、日本語が苦手なベトナム人と早く成長させたい日本人上司の間に立ち、お互いの話にしっかりと耳を傾け、担当者として必要な発言・判断を心掛けています。その結果、ベトナム人技能実習生の頑張りが全社的に認められ、今年は新たに2名の技能実習生の受け入れを予定しています。

電気・電子・機械エンジニアの採用担当者が見ているポイント

自社で活かせるスキルや経験があるかどうか

企業によって製品や技術が異なるため、求められるスキル・経験も異なります。電気・電子・機械エンジニアは専門性が高い職業ですが、基礎的な知識やスキルは共通している部分が多いため、今まで学んだ知識やスキルを書類上でどれだけアピールできるかが重要になります。

そのため、少しでも職務経歴書から転職希望先の企業とマッチする可能性を導くために、経験したプロジェクトやスキルはなるべく詳細に明記することをおすすめします。もし勉強中の資格がある場合は、自己PR欄で書きましょう。またリーダーシップやチームワークを重要視している会社は、技術面以外のビジネスパーソンとしての経験や能力もアピールすると良いでしょう。

技術力がイメージできる成果や実績があるかどうか

電気・電子・機械エンジニアは、ITエンジニアと違って選考時にコードテストなどが出来ないため、技術力は書類と面接でしか伝えることが出来ません。そのため、「どのような問題に対して、どのような解手法をとったのか、そこから学んだことは何か」を具体的に書くことが重要です。また設計職で、図面などをポートフォリオとして提出が出来る場合は、履歴書・職務経歴書と一緒に提出すると採用担当者が技術力がイメージできるでしょう。

ものづくりへの思いがあるかどうか

転職先で、今までの経験やスキルを100%活かせることは多くないので、転職先でも自発的に新たな知識を得ることが必要とされます。そこでエンジニアとして、ものづくりに対する思いや目指したきっかけを具体的に書くことでが重要です。またものづくりに対する思いから将来チャレンジしたいことを書くことで、採用担当者にエンジニアとして魅力的に伝わるでしょう。

まとめ

今回は、電気・電子・機械エンジニアの職務経歴書について紹介しました。技術職は、スキルや経験を重視して外国人を採用する企業が多いです。そのため、日本だけでなく母国での経験がある場合は、母国の経験も詳細に記載することでスキルをアピールすることが出来ます。専門用語や業界用語を日本語で書くことは、簡単ではありませんが、面接でも必ず過去の経験については聞かれるため、職務経歴書を準備する時に改めて専門用語や業界用語を覚えておくと良いでしょう。

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