【外国人求職者向け】法人営業の職務経歴書の書き方

転職時に企業にエントリーするために必要な職務経歴書は、職種別に記載する内容が異なります。法人営業職(toB顧客への営業)は、どのような顧客に、どのような商材を、どのようなやり方で、どのくらい営業実績が出たかなどを詳細に記載する必要があります。そこで今回は、法人営業職向けの職務経歴書の書き方を紹介します。

職務経歴書自体について知りたい方は、【職務経歴書の基本の書き方】もぜひ参考にしてください。

法人営業職の職務経歴書

まずは、法人営業職で転職する際に使用するオーソドックスな職務経歴書のフォーマットに沿って、正しい書き方をご紹介します。

①日付・名前

書類の一番上に右寄せで、日付と氏名を入れましょう。日付は、書類提出日の当日の日付を記入にします。氏名は、英語表記で問題ありません。

②職務要約

過去から現在までの職務経歴のサマリーを書きます。どのような会社で(業務内容)、どのような仕事(職務)を担当したかを書きます。なるべく200~250文字程度でまとめましょう。営業職の場合は、特に売上実績を職務要約でアピールすると採用担当の目に留まります。

【例文】
インドの大学を卒業後、3年間日系半導体企業の株式会社〇〇〇インド支社に入社。営業職として法人向けの新規営業・既存営業を取り組んでおりました。入社2年目から3年目までは、目標売上を130%達成。2017年に来日し、2年半食品の専門商社にて日本語・英語を活かす海外営業を担当しております。

③職務経歴

今まで在籍してきた会社ごとに分けて、職務内容を書きます。一番上に在籍歴が新しい企業が来るように順番に書きます。

【在籍歴】
西暦で在籍していた時期を書きます。
【会社名】
海外の会社の場合は、英語で会社名を表記しましょう。
【事業内容】
会社の事業内容を端的に書きます。
【従業員数】
会社の規模感を伝えるために、従業員数を書きます。
【所属・役職】
所属部署、役職を記載します。またマネジメント経験があり、部下がいた場合は、部下の人数も書きます。

【業務内容】
法人営業職の業務内容は、項目ごとに箇条書きに書くと分かりやすいです。もし同じ企業に努めていながら、異動などでで多職種の経験がある場合は、それぞれ分けて明記します。

・営業スタイル
「新規営業」もしくは「既存営業」かを書きます。両方経験している場合は、割合も明記しましょう。
・商材
どのような商材(サービス)を扱っていたかを書きます。
・営業先
どのような営業先を担当してたか、企業の業種を具体的に書きます。また年間もしくは月間の担当社数も書くと良いでしょう。
・担当地域
担当エリアが分かれている場合は、エリアを書きます。
・実績
年度ごとに個人売上目標に対して、実績、達成率を書きましょう。また社内での売上順位が上位だった場合は、社内順位も書くと実績が伝わりやすいです。
そのほか、マネジメント経験があり、チーム目標もアピールしたい場合は、個人目標と別で記載しましょう。
・工夫した点
売上実績をあげるために、自身でどのような工夫をしたかをアピールしましょう。「営業数字獲得のためのアプローチ方法」「得意な営業スタイル」など、具体的なHOWの部分を明記すると経験やスキルがより伝わります。

【例文】
インドやバングラデシュの顧客中心に約40社のクライアントを担当しておりました。 クライアント規模は100名以下の企業が全体の8割をシェアしておりますが、それら企業から確実に注文をいただけるルートを確保しながら、大手企業とのパイプ強化に努めてきました。

【取扱商品】 食品、日用品
【営業スタイル】 新規開拓80% 、既存顧客20%
【担当エリア】 インド全域、バングラデシュ全域
【取引顧客】インド大手食品メーカー、バングラデシュ食品メーカー(約50社/年間)
【実績】
2018年度売上実績:1億2000万円(達成率132% 部門内順位221人中68位)
2019年度売上実績:3億500万円(達成率134% 部門内順位252人中10位)
【工夫した点】
インドエリアの新規開拓の担当者として入社、母国でのネットワークも駆使し、徹底的な市場調査を行い、取引先の課題解決を実現するための仮説検証を行いました。その結果、入社2年で取引先数を3倍の30社まで拡大させました。

 

④活かせる経験・知識

今までの経験から業界知識、経験を書きます。応募企業がどのような経験を求めているか確認し、自分が過去の経験で活かせる面はアピールしましょう。

⑤PCスキル・保有資格

ExcelやパワーポイントなどのPCスキルを記載しましょう。法人営業職は、自分で顧客向けに提案資料を作成することもあるので、どのレベルで利用できるか明記することをおすすめします。

【例文】
・Excel
【例1:初級】Excel(四則演算・票作成・基本的な関数)
【例2:中級】Excel(ピポットテーブル、VLOOKUP、IF関数、グラフ作成)
【例3:上級】Excel(データベース作成、マクロ機能、VBA)
・PowerPoint(会議資料、営業用資料などプレゼン資料の作成)
・Word(文書作成・表作成・レイアウト調整・図の挿入・印刷設定・アウトライン)

⑥語学力

業務で使用できる語学のレベルを【ネイティブレベル】【ビジネスレベル】【日常会話レベル】の三段階に分けて書きましょう。

英語圏以外の出身の場合は、英語レベルはTOEICやIELTSのスコアを記載しましょう。また日本語レベルはJLPTの級(N1, N2など)を書くと、採用担当者が応募者の日本語レベルをイメージしやすくなります。

⑦自己PR

過去の経験や知識を洗い出し、応募企業で求められる経験や実績について記載すると良いでしょう。営業職では、顧客の満足度を上げることができる誠実な対応、顧客のニーズを引き出すヒアリング力、臨機応変なトラブル対応力、チームワーク力などを求める会社が多いため、営業職としてアピールできる自己PRを書きましょう。

法人営業職の採用担当が見ているポイント

1.売る力があるかどうか

一口に法人営業職といっても、業界や商材によって法人営業職に求められる営業スタイルや特性は異なります。営業職を採用したい企業が共通して求められているスキルは、「売る力」があるかどうかです。つまり、知識や経験が豊富でも、売ることが出来ない社員は求められないでしょう。そこで、職務経歴書内では、「この人は、自社の商材でも確実に売上をあげられる」ということを伝えることが重要です。そのため、具体的な売上数値を実績として明記することをおすすめします。また個人の売上・チームの売上がそれぞれわかる場合は、分けて記載すると個人での営業力も伝わるでしょう。

2.ヒューマンスキルがイメージできるか

法人営業職は、顧客とダイレクトに接する職種です。つまり法人営業の仕事をしている人は会社の顔となる訳です。多くの顧客と接する分、営業力だけでなく、マナーやビジネススキルといったヒューマンスキルが求められます。何を考えて、どのように業務を遂行したかを自己PRで具体的に記載すると良いでしょう。特に社会人経験が浅い社会人1年目~3年目での転職の場合は、営業として素質があるかどうか、人柄をよりアピールできるように、事前に自己分析をすることをおすすめします。

3.再現性があるかどうか

業種や商材が変わる場合は、経験やスキルに再現性があるかどうかを職務経歴書内で伝えることが重要です。そのために、主観的な表現は避け、客観的な事実を伝えるようにしましょう。例えば「自分はやる気があり、営業力があります」ではなく「年間目標を120%達成し、MVP賞を受賞した」など具体的な事実を明記しましょう。

まとめ

今回は、法人営業職の職務経歴書について紹介しました。営業職で共通するスキルは「売る力」があるかどうかですが、企業によって「個人の能力を重要視している」「チームワークを重視した営業スタイル」など社風によって求められる人柄が異なります。「自社で活躍してくれる営業マンかどうか」が採用担当者に伝わるように、企業が求める人柄に合わせて自己PRを変更することも頭に入れておくと良いでしょう。

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