2019年4月1日より、10日以上の「有給休暇」が付与されるすべての労働者に対して、毎年5日間、時期を指定して有給休暇を取得させることが企業に義務づけられました。
その「有給休暇の取得義務化」について、人材紹介等の事業を手がけるエン・ジャパン株式会社は、企業610社に対してアンケート調査を実施し、5月8日に結果を発表しました。
調査結果によると、「有給休暇の取得義務化」の認知度は9割以上であり、7割以上が義務化に肯定的であることがわかりました。また「有給休暇の取得を促進している」企業は7割であり、「金融」「商社」「IT」が促進している一方、「広告」「流通」「不動産」は促進できていない結果となりました。そして、有給休暇の取得義務化への課題には、「人手不足」と「業務の偏り」が挙がりました。
詳しくみていくと、まず「有給休暇の取得義務化」について、96%が「知っている」と回答し、このうち「内容もふくめて知っている」が63%、「概要を知っている」が33%でした。
「有給休暇の取得義務化」についての印象を聞くと、「良いと思う」が73%、「良くないと思う」が26%でした。肯定的な回答者の理由には「働く側として当然の権利なので、取得しやすい環境になるのは良い」「法律が施行されないと休みがとれない企業にとっては、組織体系や業務量の見直しにつながるいいタイミングだと思う」といった意見がありました。一方、否定的な回答者の理由には「個人の有給休暇の取得予定は不明なことが多く、年間計画が立てにくい」「業務内容や勤務状況の改善がないまま、有給休暇のみを義務化すると、サービス残業やサービス出勤、持ち帰り残業などの形態が増えるリスクがある」といった意見がありました。
次に、「有給休暇の取得を促進している」企業について、促進している業種は、1位が「金融・コンサル関連」の100%、続いて「商社」の79%、「IT・情報処理・インターネット関連」の77%でした。一方で、促進していない業種は「広告・出版・マスコミ関連」の36%、「流通・小売関連」の34%、「不動産・建設関連」の27%でした。
また、取得を促進する企業に理由を聞いたところ、「社員の満足度向上のため」が67%で最多であり、続いて「社員の健康のため」が58%、「有給取得の義務化の法に準拠するため」が42%でした。
そして、有給休暇の取得義務化にあたり、むずかしい点や課題を聞くと、なかでも「人員不足」の65%、「業務量が人に偏っている」の60%が多く回答されました。このことから、人手不足や業務過多の状況にある企業は、義務化への対応を不安視しているようです。
また、「有給休暇の取得義務化にどう対応しますか?」という質問に対しては、「有給休暇の計画的取得」の83%、「有給休暇取得のための周知・啓発」の81%が多い結果となりました。
今回の調査は、2019年2月から3月までの期間、エン・ジャパン株式会社が運営する人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」を利用している企業610社に対して、インターネットのアンケートをとおして行われました。
jopus編集部
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