新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済的に苦しい学生に10万~20万円の現金を給付する支援策を巡り、文部科学省が示した要件を全て満たしていなくても対象になる可能性があることを知らず、申請自体を諦める例が相次いでいます。7月14日の学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」(以下、学生団体FREE)のインターネット調査結果より明らかになりました。各紙が報じています。
文科省はこれまで給付対象について、「アルバイト収入が前月比5割以上減」など6つの要件を提示してきました。そのうえで「全て満たさなくても各校の判断で給付対象になり得る」としていますが、学生団体FREEによると「要件が障害となって申請しなかった学生が多くいる」とし、文科省に対して学校や学生に向けた周知を求めています。
学生団体FREEの調査は6月15日~7月12日に実施されました。大学生ら320人が回答し、161人が給付を申請していなかったことが分かっています。この161人のうち120人(74.5%)は、6要件中少なくとも1要件は満たしていました。要件を全て満たさなくても給付対象になり得ることを知らなかったのは115人(71.4%)にのぼります。
161人に申請していない理由を複数回答で聞いた結果では、「支援の要件を知って諦めた」が79人(49.1%)、「枠が限られていると知って諦めた」が33人(20.5%)いました。
現金給付は、大学院を含む国公私立大、短大、高等専門学校、専門学校、日本語学校の各校が、文科省に割り振られた人数枠内で対象者を決めます。予算上の給付対象は全体で43万人です。既に約24万人に振り込まれ、2次募集が行われています。留学生も給付対象ですが、日本人学生にはない成績要件が設けられています。
新型コロナウイルスによりアルバイトを解雇されてしまい、経済的に苦しい外国人留学生が多いなか、少しでも多くの留学生に支援が行き届くよう、文科省の周知に期待をしたいところです。
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jopus編集部
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