日本企業で働く外国人は仕事に満足しているのか？調査から見えてくる本音とは？｜日本で働きたい外国人の仕事探し・就職・転職支援メディア「jopus」

「日本企業で働くのって、どんな感じなんだろう？」はじめて日本で働くことを考えている方であれば、だれもが一度はそう考えたことがあるのでしょうか？

この疑問を解決するうえで参考になるのが、大手転職支援サービスのアデコが日本企業で常勤のホワイトカラーとして働く外国人300名に対して行ったアンケート調査です。

アデコの調査によると、日本で働く外国人のうち77％は、今の仕事に満足していることが分かりました。それでは、満足していると回答した人は、具体的にどのような点に満足しているのでしょうか。その理由のトップ5は、「業務内容」「人間関係」「労働時間」「雇用の安定性」「福利厚生」でした。

そこで、ここでは一つ一つのポイントについて掘り下げてご紹介したいと思います。

外国人が満足している5つのポイント

業務内容

外国人を積極的に採用する日本企業の多くは、海外進出や、グローバルにおける事業の拡大を目指しています。日本には英語や中国語などの外国語が堪能な人材や、海外の文化に慣れている人材が少ないため、語学ができ、グローバルなマインドセットを持っている外国人人材に対しては職種を問わず強いニーズがあります。

日本人にはない外国人ならではの強みを活かした職務を与えられることで、周囲からの期待を感じながらやりがいを持って働ける可能性は高いと言えるでしょう。

人間関係

日本企業では、同僚同士の人間関係をとても大事にする文化があります。仕事終わりに同僚同士で飲みに出かけるのも一般的で、家族のような人間関係を求めます。こうしたウェットな関係は人によっては合わないと感じることもあるかもしれませんが、コミュニティの一員として受け入れられているという安心感を得られることは大きな魅力だと言えます。

労働時間

過労死という言葉に代表されるように、日本企業は残業が多く長時間労働が一般化しているというイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、最近ではその状況も改善されつつあり、政府が主導となって「働き方改革」を進めるなど、労働時間の短縮化が進んでいます。なかには残業禁止の企業もあり、働きやすい環境づくりが進んでいます。

雇用の安定性

日本の法律では、企業は正当な理由なく簡単に従業員を解雇することはできません。この雇用の安定性は、日本企業で働く大きなメリットの一つです。一度就職をすれば、解雇の心配をする必要はあまりないため、落ち着いて仕事に取り組むことができます。

福利厚生

日本企業は福利厚生も充実しています。外国人でも社会保険への加入が義務付けられており、健康保険があるため病気や怪我をしても大金を払う必要はありません。また、日本企業では通勤に必要な交通費も支給されるため、通勤経理の範囲内であれば休日でも無料で電車やバスなどの公共交通機関を利用することが可能です。

外国人が不満に思っている3つのポイント

一方で、日本企業で働く外国人の全員が満足しているわけではありません。不満に思うポイントとして最も多く上がっていたのは「男女平等ではない」「直接的でないコミュニケーション」「遠回しな言い方が分かりにくい」という3点です。

男女平等ではない

帝国バンクが2016年に実施した調査によると、調査対象企業の管理職に占める女性の比率は平均して6.6％と非常に低い状態となっています。日本政府は2020年までに指導的な地位に占める女性の割合を30％まで引き上げる目標を掲げていますが、この目標の実現は遠いのが現状です。諸外国と比較すると日本ではいまだに男女が平等にキャリアの機会を与えられているとは言えません。

直接的でないコミュニケーション

日本には「阿吽の呼吸」という表現があります。これは「わざわざ言葉にしなくても分かり合える」という意味なのですが、民族的な多様性、言語的な多様性が少ない日本では、より間接的なコミュニケーションが増えることが多く、これは企業の中にも当てはまります。日本にやってきた外国人がこの日本特有のコミュニケーションに戸惑うことはよくあります。

遠回しな言い方が分かりにくい

日本では、直接的に断ることは無礼だと考えられており、Noを出すときも「大丈夫です」という日本語がよく使われます。例えばお客様に提案をし、「検討します」と言われたら、それは日本では高い確率で「No」を意味しています。こうした遠回しな言い方は外国人にとって非常にわかりづらく、ときに誤解を生むことでストレスとなります。