日本での就職を考えている外国人留学生の多くが戸惑うこと。それが、日本特有の就職活動文化です。実際に日本で就職活動を体験した外国人留学生は、どんな点に違和感を覚えたのでしょうか?今回は、就職支援会社大手のディスコ社が外国人留学生約2,700名を対象に実施した調査の結果をもとに、彼らが日本の就職活動でおかしいと思った制度や習慣ベスト5をご紹介したいと思います。
1位:就職活動の時期(36.5%)
日本では、大手企業約1,300社から構成される経団連が定めたルールにより、企業が採用活動を始める時期が制限されています。3月からは採用広報活動が解禁となり、6月からグループディスカッションや面接などの選考活動が解禁されるというスケジュールになっています。
そのため、企業は少しでも早く優秀な学生に接触しようと、3月より以前にインターンシップなどを実施しています。日本で就職活動を有利に進めるためには、大学3年や修士1年のときからこの夏のインターンシップに参加するなどして動き出す必要があり、学業と就職活動を並行して進める必要があります。外国人留学生はこの就職活動の時期にもっとも違和感を覚えるようです。
2位:服装・リクルートスーツ(36.5%)
就職活動の時期と同様に多くの外国人留学生が違和感を覚えるのが、就職活動時の服装です。日本では、就職活動で面接に行くときなどはリクルートスーツと呼ばれる就職活動専用のスーツを着用するのが一般的です。なぜ全員が同じリクルートスーツに身を包んで就職活動をしなければいけないのか、疑問に感じている外国人留学生が多いようです。
3位:新卒一括採用(34.3%)
新卒一括採用という文化も日本特有のもので、新卒採用のチャンスを逃すとなかなか人気企業には入社しづらくなるという点が外国人留学生にとっては理解しがたいようです。
4位:筆記試験(32.5%)
日本では、外国人留学生も日本人学生と同じように筆記試験を受ける必要がありますが、この筆記試験は日本語のケースも多いため、外国人留学生の多くが難しいと感じているようです。
5位:エントリーシート(29.2%)
日本の就職活動では説明会や選考に参加するためにはエントリーシートと呼ばれる応募動機を記載した書類を提出する必要があります。まだ興味があるだけの段階だとしても、こうした手間のかかる作業をしなければならないことに違和感を覚える外国人留学生も多いようです。
まとめ
いかがでしょうか?日本の就職活動には日本固有の慣行が数多く存在するため、はじめて就職活動を体験する外国人留学生は戸惑うことも多いようです。日本での就職を希望する場合は、こうした日本の文化にいち早く慣れる必要があります。特に筆記試験やエントリーシートなどは選考に関わるため、できる限りはやいタイミングからしっかりと情報収集し、準備を進めることをおすすめします。
【参照サイト】2019年度 外国人留学生の就職活動に関する調査結果(2018年8月発行)

jopus編集部

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