コラム

【イベント取材レポート】ベトナム人学生と日本企業をつなぐ「第4回クエストキャリアinハノイ2018」

11月4日、ベトナム・ハノイ大学にて、実在する日本企業を題材として課題解決力やプレゼンテーション力を学ぶアクティブ・ラーニング型のキャリア教育イベント、「第4回Quest Career in HaNoi 2018」(主催:株式会社教育と探求社、共催:SEMECO CONSULTANT AND EDUCATION COMPANY LIMITED.、後援:在ベトナム日本国大使館)が開催されました。

当日はベトナム現地に進出しているイノアックコーポレーション、H.I.S.、エースコックベトナム、全日本空輸、大和ハウス工業の日系企業5社が参加し、各社の社員が講師として日本企業で働くことのリアルや面白さを現地のベトナム人学生ら約300人に伝えました。

メイン会場となったハノイ大学講堂には約300人の学生らが集まった。

同イベントは、企業担当者らが講師として自社の事業説明を行ったあと、各企業が学生チームらに課題を出し、その課題に対して各チームが解決策を企画し、日本語でプレゼンテーションするというプログラムです。

今回は上記5つの企業からそれぞれ「企業の理念を実現し、ベトナムの人々が驚く新規事業を提案せよ」というミッションが出され、ベトナム人学生らが3~5人程度のチームを組んで新規事業の企画、プレゼンテーションに取り組みました。

今回は当日の様子をご紹介したいと思います。

日本企業の社員らが講師となって授業を開催

まずは、参加した5社の社員が講師となり、それぞれの教室に分かれて自社の事業内容について学生らに講義を行いました。会社の歴史や普段はなかなか聞くことができないリアルな仕事内容、そのやりがいなどについて社員が熱心に語ります。

講義を行うイノアックコーポレーションの大平真氏

講義はすべて日本語で行われ、ベトナム語への逐次通訳をクエストキャリアのOB・OG学生スタッフが行うという形式です。なかなか聞くことができない日本企業のリアルな仕事の話について、参加した学生らはみんなとても真剣に耳を傾けていました。

通訳付きとはいえ、日本語での講義をしっかりと理解しながら集中して話を聞いている学生らの横顔を見ると、改めてその優秀さに驚かされました。

講義を行ったH.I.S.の石橋伸之氏は、今回のイベントに参加した経緯について、「日本語を話せるベトナム人の採用も見越しつつ、学生のなかにはまだ海外旅行を経験したことがない人も多いため、まずは旅行業に対する認知度を高め、興味を持ってもらいたい」と話していました。

石橋氏は、「ベトナム人学生は日本語だけではなく英語も話せるので、入社後にスタッフとしてのキャリアの幅も広がります。旅行業はお客様の期待値が高いぶんクレームなども発生しやすいですが、その点ポジティブに笑顔で対応できるベトナム人スタッフの評価は高いです」と学生らに対して高い期待を寄せていました。

また、イノアックコーポレーションの大平真氏は、「ベトナムの人はみな素直で今を生きている、物覚えも速く、語学力も高い。今回新しいアイデアがでてくれば、ぜひ会社でも活用したい」と話していました。

授業後に提示されたミッションに対して真剣に企画を練る学生たち

授業を終えると、今回のイベントのメイン企画であるミッションが提示されます。今回のミッションは、ずばり「企業の理念を実現し、ベトナムの人々が驚く新規事業を提案せよ」というもの。

学生らは3~5人程度のチームに分かれてそれぞれ企画を考え始めます。パソコンでエクセルを駆使しながら課題を進めるチーム、模造紙を広げてアイデアを練るチームなど、そのスタイルは様々ですが、誰もが真剣に取り組んでいます。

新規事業案について真剣にディスカッションする学生たち。

どのチームを見ても、発言が偏ることなく誰もが積極的に意見を出しながら進めている点が印象的でした。2時間という限られた制限時間のなかで、なんとかアイデアをゼロから形にまとめあげます。

日本語でプレゼンテーション案をまとめ上げる。

緊張のプレゼンテーション

企画会議の時間を終えて、いよいよプレゼンテーションの時間です。プレゼンテーション時間は5分で、しかも日本語で行わなければいけないというルール。

自分たちのアイデアを堂々と発表する学生たちに対し、審査員となる企業の担当者らも真剣に耳を傾けます。

日本語で堂々とプレゼンテーションを行う学生たち。

たった2時間ながらも綺麗なパワーポイントを仕上げてロジカルに説明を進めるチーム、寸劇を交えながら分かりやすくプレゼンを行うチームなど、たくさんの個性が出ていました。

これだけの人数が参加しているにも関わらず、誰のプレゼンテーションを聞いても流ちょうな日本語を話しており、またその内容についても独自性溢れるユニークなアイデアが多いことに驚かされました。

参加学生は日本企業の話を聞くことができ、満足した様子

プレゼンテーションの終了後は日本企業と担当者らと学生らが自由に交流できる交流会が開催され、その時間にも学生らは積極的に担当者らに質問し、親交を深めていました。

プレゼンテーション終了後に企業担当者らと交流を深める学生たち。

栄えあるグランプリは女子5人チームが獲得

各企業が最も優れたプレゼンテーションを行ったチームを1チームずつ選び、5チームで最終プレゼンテーション大会が行われました。その結果、見事グランプリに輝いたのは、貿易大学・ハノイ大学・ハノイ国家大学外国語大学に通う女子学生ら5人で構成された「The Happy」チームです。

グランプリに輝いた「The Happy」チームの5人

エースコックベトナムに対し、新規事業として「食に関する正しい知識や理解を楽しく深められる遊園地などのアミューズメント事業」を長期戦略も併せて提案しました。

エースコックベトナムの篭嶋茂人氏は、今回のイベントに参加した経緯について、「エースコックがどんな会社かを知ってもらい、正しい知識をつけてもらいたい。そのうえで自分たちでは思いつかない新しいアイデアをもらうことができれば」と話していましたが、まさに篭嶋氏の期待どおりの独創的なアイデアが出ていました。

篭嶋氏によると、エースコックは日本の高い食品安全衛生技術をベトナムに持ち込み、商品の味などについてはローカルのスタッフを信じて任せることで見事に日越融合を果たし、成功した歴史があるとのことです。今回のアイデアが実現に向けて動き出すのかどうかも注目です。

グランプリを獲得した「The Happy」チームは、副賞の訪日研修として来年2月に来日。エースコック本社を訪問し、経営幹部に向けてプレゼンテーションする機会が与えられます。

また、来年2月23日に開催される日本の中学生・高校生が企業に向けて企画提案を行う「クエストカップ2019 全国大会」でも発表をする権利を手にしました。

まとめ

クエストキャリアinハノイに参加した日本企業の担当者らは、口を揃えてベトナム人学生の優秀さや素直で勤勉な点、高い日本語力が素晴らしいとコメントを残していました。

今回は就職を目的とするイベントではありませんが、各社ともに今回のようなイベントを通じてベトナムの学生らにキャリア教育の機会を提供しつつ、自社のことを少しでも知ってもらいたいと考えて参加をしたとのこと。

ベトナムをはじめ世界中で事業を展開する日本企業にとって、日本語も堪能で意識も高いベトナム人学生らはとても魅力的に映っていたようです。

今後、ますます多くの日本企業がベトナムとの関係を深め、人材交流が進むことを期待したいですね。

【参照サイト】第4回Quest Career in HaNoi 2018
【参照サイト】「第4回Quest Career in HaNoi 2018」開催結果速報!(2018年11月4日開催 於:ベトナムハノイ大学)

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jopus編集部

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