安部首相は10月24日に行われた第197回臨時国会にて所信表明演説を行い、そのなかで「即戦力となる外国人材を受け入れる」と表明しました。
首相は、高校・大学を卒業した若者の就職率は過去最高水準となり、有効求人倍率が2年以上にわたって全47都道府県で1倍を超えるなか、全国の中小事業者が深刻な労働力不足に直面している点に触れたうえで、この解決策の一つとして、一定の専門性・技能を有した即戦力の外国人材を積極的に受け入れる方針を公表しました。
具体的には、入国管理法を改正し、就労を目的とした新たな在留資格を設ける点、出入国在留管理庁を新たに設置し、受け入れ企業の監督に万全を期す点を挙げたほか、外国人材を社会の一員として受け入れ、生活環境の確保に取り組んでいく意思を表明しました。また、外国人材に対しても日本人と同等の報酬をしっかりと確保するという点も強調しました。
来年4月から新たに創設予定となっている在留資格は「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類です。1号資格を取得するためには日常会話レベルの日本語能力試験と、就労分野に関わる知識・技能に関する試験の両方に合格する必要があります。
1号資格の在留期間は最長5年となっており、家族の帯同は認められていません。ただし、3年以上の経験がある技能実習生については「一定の能力がある」とみなされ、無試験で1号資格を取得することができます。また、2号資格は在留期間を無期限で更新でき、家族の帯同も認められるものの、その要件については厳格化される方向で議論が進んでいます。改正入国管理法が施行される来年は、日本の外国人受け入れ政策が大きく変わる歴史的転換点となりそうです。
【参照記事】第百九十七回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説
jopus編集部
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