近年大幅に増加しているインバウンド関連事業を手掛ける企業における外国人材の雇用状況はどうなっているのでしょうか。それに関する調査を、インバウンド専門求人サイト「やまとごころキャリア」を運営する株式会社やまとごころが実施し、6月20日に結果を公表しました。
調査結果によると、インバウンド関連企業において外国人材を「現在雇用している」企業は72.7%、「過去に雇用していた」企業は13%、「今後、雇用したいと考えている」企業は7.8%であり、約9割の企業が外国人材の雇用に積極的であることがわかりました。そして、外国人材を「現在雇用している」と答えた企業のうち、89%が「外国人材の雇用にメリットを感じている」と回答しました。そのメリットしてあげられたのは「海外とのやりとり」や「訪日外国人とのコミュニケーション」がスムーズになったという回答が多く、そのほかに「人材不足が解消された」「異文化理解が深まった」などがありました。
その一方で、外国人材を雇用することについて「不安点がある」と答えた企業は87%にのぼりました。不安な理由としては「文化・習慣の違い」「ビザ関連の手続き」「早期退職(帰国等)」が多く、そのほかに「コミュニケーション面(言語等)」「採用後の研修・教育」「生活支援(住居・教育等)」があげられました。
さらに、70%以上の企業が「人材が不足している」と回答しており、外国人材に求める職種の上位3種は「営業職」「企画職」「WEB・IT関連職」でした。2015年に同社が行った調査では「営業職」「企画職」、旅行手配を行う「オペレーター」が上位であり、インバウンド業界では、団体客から個人客に変化していることに伴い、ウェブマーケティングやシステム開発など、ITの活用が拡大していることがみてとれる結果となりました。
また、求める経歴については、新卒や第二新卒ではなく「中途・キャリア」採用を希望する企業が87%でした。業種別にみると「旅行業」「宿泊業」では中途採用に限らず「新卒」や「第二新卒」も対象としているものの、その他の業種では「中途・キャリア」以外は採用の対象にならないと回答しており、即戦力を求める傾向にあることがわかりました。
同社は、インバウンド関連企業が外国人材を雇用するにあたっては、人手不足の解消だけではなく、母国語を生かして海外における旅行者や訪日客とのコミュニケーションを円滑にする人材として活躍することを求めることが特徴として多く、また、企業は外国籍人材ならではの目線で商品やサービスに対するアイディアが出ることについてもメリットに感じているとしています。
「やまとごころキャリア」は、2019年6月7日時点で18,176名の会員を抱え、そのうち45%が外国籍の求職者です。登録中の外国人材の内訳は、中国語圏の出身者(台湾・香港を含む)が約75%でもっとも多く、次いで韓国、タイ、ベトナムの出身者となっています。
今回の「インバウンド人材と外国人材雇用に関するアンケート調査」は、2019年5月7日(火)から5月22日(水)まで、やまとごころキャリアの利用企業およびやまとごころが配信する各メールマガジン会員を対象に、ウェブ上のアンケートフォームより入力する形式で行われました。回答企業数は77件で、業種は、旅行業、宿泊施設プロモーション、コンサルティング、観光施設、多言語サポート、飲食店、官公庁・自治体・観光団体、航空会社 運輸、小売業・メーカー、人材派遣・人材紹介、WEBサービス、観光案内所、データソリューション、通信、不動産業でした。
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