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留学生採用トレンドは活性化傾向。オリジネーター「リュウカツニュース」Vol.1発表

外国人留学生就職情報サイト「リュウカツ」を運営し、理工系の外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーターは6月18日、外国人留学生の日本における採用動向を伝えるレポート 「リュウカツニュース」のVol.1を発表しました。このレポートは、同社が2006年に事業を開始してから13年で蓄積したデータと、外国人留学生や大学をはじめとする教育機関、企業の人事担当者などから得られた最新の情報に基づいて配信されています。

レポートによると、留学生の採用トレンドは、企業のグローバル化や多様性の進展により活性化傾向にあり、とりわけ採用充足率が低いIT業界では留学生採用が拡大する見込みだということです。

政府は、2008年に「留学生30万人計画」を発表、2020年までに14万人から30万人に留学生を増やす目標を掲げており、日本学生支援機構(JASSO)の発表によると、留学生は2018年5月1日時点で298,980人にのぼっています。そして、日本での就職を希望している留学生は6割いる一方で、日本国内で就職する割合は3割程度にとどまっている現状です。これは、政府が2016年6月に「日本再興戦略」で発表した「外国人留学生の日本国内での就職を現状の3割から5割に向上させる」という目標を下回っており、厚生労働省・文部科学省が公表した2019年5月1日時点における日本人大卒者の就職率97.6%と比べると低い数字となっています。

こうした状況がみられる中、同社は、近年の採用の現場では、受け入れ側の企業と留学生が在籍する教育機関の双方に大きな意識の変化が起こっているといいます。

まず、企業側においては2006年当初は、外国人留学生にコストをかけて採用する意識を持っている企業はわずかであり、採用する場合も日本語力の高さや日本文化・慣習に対する理解など、日本人と同じように働ける人材を望むケースが圧倒的に多く、たとえば優秀な日本人新卒者を採用するのが困難なケースや、将来的に海外進出を考える地方の中小企業などが留学生を採用した場合には、採用活動が成功している事例もみられたということです。

それが2019年時点では、企業のグローバル化と業種・業態の多様化が進んだことや、日本人の新卒採用が難しいといった要因から、優秀な外国人留学生の採用を積極化する企業が増加、そして日本語が話せなくても問題ないという企業はほとんどみられないものの、外国人としての視点を活かした働き方を求める企業も増えているといいます。そうした中で、外国人材の受入れ体制が整備されていない企業も多いことから、今後は各社が外国人材をどのように活用していくかが課題だと指摘しています。

一方、教育機関側においては、2006年当初は、外国人留学生のための特別な就職支援をする教育機関はごく一部であり、特に上位大学において、大学は学術研究をする場所であるとの認識が強く、留学生に対する就職支援の優先度は高くなかったといいます。

それが2019年時点では、さまざまな就職支援プログラムを用意するようになり、特に文部科学省が進めている「留学生就職促進プログラム」で選定された大学では、さまざまな活動を通じて就職率向上に取り組むなど、支援するケースがみられるようになってきています。

5月30日には出入国管理法に基づく告示の一部が改正され、日本国内の大学や大学院を卒業した外国人が、円滑な日本語での意思疎通が求められる飲食業や製造業などの現場で働くことを希望する場合に、在留資格「特定活動」による入国・在留が認められるようになるなど、国による留学生に対する就職支援が進んでいます。こうした状況を受け、同社は、今後アニメ・漫画・ゲーム・日本料理といった「クールジャパン産業」への就職が可能となることが見込まれるだけでなく、外国人留学生にもメリットのある「通年採用」が浸透する可能性もあり、外国人留学生の就職率はさらに向上すると予測しています。

さらに、「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によれば、企業の新卒採用充足率は全体で84.4%である一方で、業界別にみると「ソフトウェア・通信」が77.3%で最低になっていることから、日本ではいわゆるIT人材が不足しており、これらの分野では専門性の高い外国人留学生への置き換えが進んでいくことが予想されるとしています。

なお、同社が運営する「リュウカツ」では、登録者の内定獲得者数は、2015年度の127人から、2018年度には514人と、3年で約4倍に増加しています。また、内定先企業の業種は、2015年にはメーカーが6割だったところ、2016年以降は4割前後で推移し、販売・接客などのサービス業が増加、そして2018年の「その他」には人材、メディア、ゲーム、教育、公的サービスなどが含まれており、メーカー中心から多業種にわたっているということです。

就職活動中の方は、5月末時点で約95か国・地域の約12,000人の留学生登録者を抱え、特に理工系に強みがあるという同社のサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

【サービスサイト】【日本で働きたい留学生の就職支援】リュウカツ
【コーポレートサイト】株式会社オリジネーター
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jopus編集部

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