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在ベトナム日本国大使館が業者とのトラブル例を掲載。留学生らに注意を呼びかけ

日本の企業で働こうとするとき、就職や留学を手配してくれる会社と関わることもあるでしょう。そんなときにはトラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。そして何かのトラブルに巻き込まれた場合には相談できる機関があることを知っておくことも大切です。

ハノイにある在ベトナム日本国大使館は4月5日、日本での就労や留学を希望する若者が、仲介業者などとのトラブルに巻き込まれることを防ぐため、トラブルの例を公開し、注意するよう注意を促しました。

これらのトラブルの例は、2018年6月にベトナム人と日本人の有志の法律家によってハノイに設置された相談窓口「IEVJ」に報告されたものです。

そのなかには、在留資格認定証明書を取得できないトラブルや、十分なサービスが受けられず信頼性がないトラブル、公的書類の偽造や、不適切な手数料が求められるトラブルなどがみられました。

例えば、「在留資格認定証明書を取得できないトラブル」では、仲介業者を通じて企業への応募に合格したと言われたにもかかわらず、いくら待っても在留資格を得られない場合や、業者に確認しても「待ってください」という返事しかもらえないトラブルがありました。

そして「十分なサービスが受けられず信頼性がないトラブル」では、仲介業者に手数料を支払ったのにサービスが受けられず、確認をしても日本の出入国管理機関で書類を確認しているため待ってくださいと言われるだけでなく、その書類を日本に提出したか確認することもできないトラブルがありました。さらに、仲介業者と契約すれば1,000万VNDの割引や3か月間の無料日本語学習の特典を付けると言われたが実際にはなかったケースや、ある会社では日本の受入会社をみつけるために大学生にお金を払って募集された実習生のふりをさせる、さらに業者名を何度も変更しているケースもありました。

また「公的書類が偽造されるケース」では、合意なく大学卒業証明書等を偽造したうえ、事実と違う内容を記入し、日本の出入国管理機関に提出するケースや、銀行の残高証明、家族の収入証明を偽造しているケース、さらに、会社名や会社印を隠して領収書を発行しているケースがありました。

続いて「不適切な手数料を求められたケース」では、業者スタッフに500USD~1,000USDを支払えば、日本へ行くための試験の解答を秘密で教えると促されるケースや、派遣業者が紹介料として通常請求する金額は7,000USD~7,500USDであるにもかかわらず11,500USDと高額な請求であったケース、さらに受け入れ会社がないのに不当に請求されたケースがありました。

そのほか、大学の専門を生かして技術者として勤務したい希望があったにもかかわらず、ホテル・建物の掃除エンジニアという仕事内容で、5年間の在留資格を得られるという案件を紹介されたうえ、7,500USDが請求されたトラブルや、エンジニアでの就労直前に技能実習生のビザを申請させられたトラブル、さらに、就労ではなく15日間の「観光ビザ」で日本に派遣された後、業者に逃げられたトラブルなどがありました。

在ベトナム日本国大使館は、トラブルにあわないためにもまず「日本語の勉強をしっかりすること」で情報を確認できるようにしておくことや「お金を支払ったときには領収書をもらうこと」、さらに仕事や留学を目的としているにもかかわらず「観光ビザ」を渡されたときには不自然だと気づき、すぐに日本大使館に連絡することなどをあげ、注意を呼び掛けています。

あらかじめトラブルの例を知っておくことで、これからトラブルにあわないようにすることができるかもしれませんので、日本での就労や留学を希望する方はぜひチェックしてみてください。また、万が一トラブルに巻き込まれそうになったら、大使館やIEVJに相談しましょう。

【ウェブサイト】(注意喚起)日本への就労や留学に関する業者とのトラブル例

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jopus編集部

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